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『奥』の細道はインドに続く・・・。
インドでの庶民的主婦日記。
プロフィール
名前:奥 (プロフィール詳細)



2005年10月よりオリッサ州バランプール(Berhampur)にて、インドの田舎生活開始。

2007年3月よりタミルナードゥ州チェンナイに引っ越し、インドの都会生活開始。

今はヨガ・タミル語・カラムカリ(絵)・カラリパヤット(格闘技)を習っているほか、チェンナイ中を歩いて『オモシロイこと発見』にいそしむ日々です。


2008年10月3日、インド完全脱出。

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チェンナイから電車で14時間、お隣アンドラプラデシュ州の州都である
ハイデラバードに行ってきました。

いや〜、予想以上に良かったです。
何が良いかって、イスラム教徒が住人の80%を占めるというオールドタウンが
私好みのアラブな感じでした。
街行く多くの女性は黒い布で全身を覆い、男性は帽子をかぶっていています。
看板にはウルドゥ語というアラビア文字が使われているし、モスクやイスラム風の
建築物が多く、なんとなくエジプトのカイロを思い出させる雰囲気、とでも
言いましょうか、ヒンドゥー教徒にまみれた他の街とは違う異国情緒が
漂っているのです。



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『蒸かしイモ、食うか?』


週末を利用して、世界で最も参拝者数を集めると言われている
ヴェンカテスワラ寺院に挑戦しに行ったわけですが・・・、
タイトル通り惨敗しました。


この寺院はアンドラプラデシュ州ティルマラというチェンナイから
バスで4時間(140キロ)ほどの街にあるヒンドゥー寺院。
日本ではもとより世界でも(たぶん)ほとんど知られていませんが、
年間の参拝者数があの名だたる聖地メッカやエルサレムよりも
多く、なんと1日の参拝者数が10万人を超える日も珍しくないという
謂わば『キングオブ聖地』、なのでございます。
そしてお布施などの年間所得は年間30億円を超えるインド一の
お金持ち寺院でもあります。



そんな世界で最も行列のできるヒンドゥー寺院への訪問は、昨日今日
思いついたように「じゃぁ近いから行ってみるか」的な軽い心構えでは
甘かったのです。


当日(土曜日)の早朝、私たちがまだチェンナイのバスターミナルで
バス待ちをしていた頃、ティルマラを訪れる巡礼者達の玄関口と
なっている街ティルパティに先に着いた友人達から速報が入りました。


「ダルシャン特別チケット入手できず。
チケットは予約販売のみで10月末まで予約いっぱい。」


ダルシャンとは寺院内部の神殿に入って、実際に祀られている神様を
拝むという行為のことで、日本同様、これが寺院参拝の醍醐味です。
当然のことながら人気寺院ともなると神殿前に長蛇の列ができています。
そんな長蛇の列を待つことができない、ちょっと懐に余裕のある巡礼者
向けに、ディズニーランドで言うところの「ファストパス」的な規定の
金額を支払うと優先的にお参りができるというサービス(?)が用意
されているのです。

通常の人気寺院であれば当日に行ってこのサービスを使えばサクサクっと
お参りができるのですが、さすがは世界一の参拝者数を誇るヴェンカ
テスワラ寺院。

前売り券のみで当日券は無し、でした。


聞くところによると、アンドラプラデシュ州の主要鉄道駅の他チェンナイ駅
付近にもあるチケット売り場へ行くか、もしくはハイテクにオンライン
利用して事前にチケットを入手しておかなければならなかったのです。
なんともお手軽に予約チケットが入手できたわけですが、私たちは
事前調査が足りませんでした・・・。

ということで、チェンナイのバスターミナルの時点で、あっさりと
「本日、ヴェンカテスワラ寺院参拝できず」の結果がもたらされて
しまったのでした。全然"目前"でもなかったのです。


じゃぁ、チケットなしで普通に並べばいいなじゃいか、って?

いやいやいや。
もし特別チケットがなく通常の巡礼者と一緒に並んだ場合、混んでいるときは
18時間も待つこともあるのだとか!!

さすがに、それは、ねぇ・・・。


ちなみにそんなに並びたくない場合、深夜1時くらいから前乗りすると
6時間程度で済むそうです。
まぁ、普通に朝寺院に行ってみたら意外に巡礼者が少なくて、「10時間待ちで
行けたぜ!ラッキー♪」
ということもあるでしょうし、これは運でしょうね。


ということで、ヴェンカテスワラ寺院参拝はあっけなく中止となり
先着組の友人達とティルパティで合流後、すぐ近くのカラハスティに
行って帰るという日帰り旅になりました。



前回訪問したアーティストのところで、作業風景を見た後、
作品を売ってもらう。
質の良いカラムカリを買うなら絶対、アーティストのところに
行った方がよい。エキシビジョンやクラフトショップで見かけない
ような良いモノがいっぱいあって、しかも格安で手に入るのです。
何十枚もある中からお気に入りを探すので、こんな感じであたり
一面カラムカリだらけになってしまう。



カラハスティには大きなお寺がある。
ここの表参道はおもしろい。



『インド人、ウソツカナイ。』


ということで、今度は前売りチケットを入手してからヴェンカテスワラ
寺院にリベンジしたいのですが、、、。
チケット予約のオンラインページを見たら、予約可能な期間(今は10月末
まで)は完全にフルでした。
いつになるかしら?
ヴァイザック&アラクバレーの旅その1



方位を示す記号の”N“の左にVishakhapatnam(ヴァイザックの新名称)、
その上のオリッサとの州境にAraku、Borraがある。


さて、ヴァイザックから112kmほど離れたアラクバレーに。
ここは東ガーツ山脈の一部で、19部族の原住民・少数民族が住んでいる
ところ。
最近、名が知られだしたようなけっこうマイナーな観光地である。


連なる緑溢れる山々には所々に茶色の瓦屋根を載せた家が数軒
集まった集落があり、それを囲むように広い範囲に棚田が作られていて、
のどかーな雰囲気。



小雨の続く天候であまりいい写真が撮れず。



ここあたりに住んでいる原住民達は顔つきや服装が違う。
特に女性達のサリーの着方は特徴的。一見すると布を左肩で
結ぶが安全ピンで止めているだけだけど、体にもちゃんと
サリーを巻いている。ブラウス・ペチコート着用。
鼻ピアスは金の輪を3つつけている人が多かった。
※写真はvishaka.orgより借用。




この時期はジャックフルーツの旬らしく、そこら中にあるジャックフルーツの
木から実がぶらさがっていて、そんなのを子供達がもいで道ばたで売っていた。

買うのは地元の人というよりも観光客が多いようで、ツーリング途中の
バイカー達が荷台に巨大なジャックフルーツをくくりつけて走っているのを
何台か見かけた。
そんな光景を見ていたら、私ともう一人の友人もジャックフルーツが
欲しくなってしまい、おもいしろいから私たちも車の屋根にくくりつけようゼ!
な〜んて盛り上がっていたんだけど、そんなに買っても食べきれないから
という理由で他の誰からも賛同を得られず、断念。
ちなみに持ち上げるのもやっと、という大きなものでも100円を切る
安さ。



これがジャックフルーツの木。
幹からボコボコと実が成りている。
わかりにくいけど、上の方で1匹の猿が試食中。
ちょうどカラムカリで「猿とジャックフルーツの木」を
描いていたのでビックリ!



Tydaエリアにあるこんなコテージに宿泊。
山の中なので虫が多かったものの部屋が新しかったので
気持ちよく泊まることができた。しかもお湯・AC完備。
携帯の電波もなければテレビもないけど、キツツキやら
セミやらそんな自然の生き物の声が響いている。
しかも夜はホタルがぶわーーーーっと舞っていて幻想的!!
週末はインド人客で混み合うけどバードウォッチングツアーや
原住民のダンスなどの催しがあり、平日は何もないけど静か。


このほか、Borra Cave(ボラ洞窟)という“いちおう“鍾乳洞も観光名所
なんだけど、はっきり言って行く価値はなかった。観光局とかのHPだと
キレイに写ってるんだけど、実際は臭いし保存状態が悪い。

毎週日曜日にサンデーマーケットが開かれ、奥地から原住民達が
出てくるそうだ。本来ならそれも観光の目玉になっているのでだけれど
私たちは日程の都合上、行けなかった。

ところでこのAraku Valley、驚くことにかなり奥地だというのに道路が
真っ平らできちんとアスファルトが敷かれている。
山をクネクネと曲がるものの、ヴァイザックから車でスイ〜っと着いて
しまうのだ。これはシッキム州に行った時と同じ感動。
日本の感覚では当たり前なんだけど、インドだとちょっと田舎に行くと
すぐボッコボコだから、これは貴重だ。


私たちはここに丸二日間ほど滞在したんだけど、下界が夏の間に避暑に
来て長めに滞在してもよさそうだな、と思った。

Araku Vally一体はほとんどテレビも携帯電話も繋がらないし、食事も
宿泊したコテージで食べるしかないけど、村から村へ散歩がてら軽く
トレッキングしたり、バードウォッチングしたり、コテージのベランダで
本を読んだり、そんな感じでのんびり過ごすにはもってこいのところだ。
こんなにキレイな景色があるのに観光客が少ないなんて、まさに穴場中の
穴場。行くのは大変だけど、これから人に勧めてしまいそう。


タミルナードゥ州のお隣アンドラプラデシュ州にあるVizagヴァイザック(新名称
ヴィシャカパトナム)と原住民の住むAraku Valleyという山間に行ってきた。


まずはアンドラプラデシュ州(以下AP)第2の都市であるヴァイザックについて。

地理的にはチェンナイからだと電車で所要12時間程度なのだが、オリッサ州との
州境にほど近いため、実は我がバランプールからだと5時間と近距離(インドで
5時間は“近い“部類に入る)に位置している。
街の規模・発展具合はオリッサ州州都ブバネシュワルと似た典型的な地方都市で
まだまだ古いスタイルを保ちつつも、まぁそれなりに近代的な側面も見れるかな〜?と
いう印象。
欧米スタイルのカフェチェーン「コーヒーデイ」やおしゃれなインド服を売る
「ファブインディア」が若者の超最新トレンドとして君臨しているあたりも
まさにブバネシュワルと同じだ。

ただ、至る所に古いお寺があったり随所に歴史を感じさせるブバネシュワルと違って、
街並みはかなり面白みにかける。


〜写真で見るヴァイザック〜



ヴァイザックの観光資源は非常に乏しいものの、海に面しているため
郊外にすっごく半端なリゾートビーチRishikondaがある。
AP観光局は開発をしていこうと計画しているみたいだけど
今はまだ、市内から遠いのまともなレストランもお店もなく
古びたホテルがいくつか点在しているだけで、リゾートとは
呼べるものではなかった。
ここにも2泊しちゃったけど、市内のホテルの方がなにかと便利。



カラハスティに行った時も思ったけど、APはエイズ撲滅運動に積極的なようで
町中に看板が出ている。
だからなのか、Rishikondaで泊まったAP観光局運営ホテルにあった
お風呂用湯沸かし器にこんなことが書いてあった。
しかも手書き。



こちらは市内にあるビーチ。地元客でいっぱい。



カニ採りおじさん。



カッコいいかと思いきや、よく見ると滑稽な格好をしている下着の広告。
ブリーフ一丁にライフルとガスマスクってどんな設定なんだろう。



ヴァイザック駅ホーム売店での必食はVishaka Dairyの「Mitha doi(ミタドイ)」。
ベンガリスゥイーツの名物”ミスティドイ(甘いヨーグルト)“のことで
甘すぎて食べられないインドスゥイーツの中で、唯一私が好きなもの。
オリッサのOmfedブランドも美味しいけど、Vishakaの方がこってり濃厚な感じ。
残念なことに今回は駅の売店が売り切れで食べられず。
市内で探すも見つからなかった・・・。
チェンナイでは今のところ見かけないのだけど、どこかにあるのかしら。
写真は市内の丘の上にあったVishaka Dairyのパーラー。
メインの商品は牛乳・バダムミルク・バターミルクあたり。
(後日、入手しました。)


AP名物、木彫り人形の工芸品Kondapalliコンダパリ。
AP土産は政府のお店Lepakshiが品揃え豊富のよう。



ロープウェーで市内が一望できる丘に登れる。
頂上には不思議なテーマパーク?のようなものがあって
ちょっとだけ面白い。



丘の上にはこんなのとかがある・・・。
丘に限らず、ヴァイザック市内のいたるところに銅像やら
でっかい恐竜の模型やら変な置物やらがいーっぱい。



夜景。
そういえばここにはインドで大きい港がある。


あとは、門はドラヴィダ式だけど本殿はオリッサ式という南東融合スタイルの
ヒンドゥー寺院(Kailash hill)などもあった。

残念ながら、地元市場やスーパーに行っている時間がなくてマンゴーの物色が
できなかった・・・。道ばたから見る限り、バンガロール種が多そうだったけど
どうやらAPマンゴーの時期は終わりかけていたみたい。ちぇ。


地図のしたの方、「Tamil Nadu」の表記の
ちょっと右上の海近くに“SriKarahasti”がある。


(写真はクリックすると大きくなります。
職人さんたちの細かい仕事を見てみて下さい!)



布に手描きで絵を描いていく
カラムカリペインティング



先週末の日曜日、カラムカリのクラスメイト達とカラムカリの発祥の
地であり、現在でも多くの職人が住んでいるカラハスティという街に
行くことになった。
16世紀頃から脈々と伝わる技巧を本場で見、職人さん達に話を
聞いてこようというわけである。

この街はタミルナードゥ州(TN)のお隣アンドラプラデシュ州(AP)に
あるのだが、チェンナイからはバスで3時間程度と比較的近くに
位置しているためチェンナイから日帰りで訪れることができる。

ちなみに街の印象は、まさに我がオリッサ州バランプールのような
素朴な田舎町。私にとっては懐かしい雰囲気だった。


まずは私が通っているクラスのおじいちゃん先生の家へ。
おじいちゃん先生はチェンナイで単身赴任の身。カラハスティの家では
奥さんや娘さんもカラムカリを描いている。
カラハスティのカラムカリはヒンドゥー教の叙事詩を題材にするのだが、
おもしろいことに先生一家はクリスチャンだ。
それでもヒンドゥー教の教えはバッチリ心得ているそう。


それから街のあちらこちらにある工房へ。



ヒンドゥー寺院の一角にて。



これはある職人が1年かけて創作している
全長150mの作品の一部。ギネスに挑戦中なのだとか。
この世の成り立ちからヒンドゥー教の歴史・叙事詩を
ストーリー仕立てにしている壮大な作品。完成が待ち遠しい。


職人さんはたいていが家族単位で仕事をしていることが多く、
作業場では子供から老人までカラムカリに携わっている。



あるカラムカリ一家の作業場の入り口。
ドア上部の装飾もカラムカリ。



お父さんが下書きして、


娘達がインクを使って描いていく。
この家庭はお父さんと娘さん親子2代で賞を
とったことがあるという才能ある家族。



各工房を訪ねて感動したことは、とにかくどの作品も細かくて、
丁寧に描かれているということ。
布にサラサラのインクで描くという難しさがあるので、紙に書く絵とは
違って、滲んでいたりインクがポタッと垂れていたりと多少の粗がない
わけではないが、それでもこの繊細なペン使いにただただ圧巻!
配色やデザインも勉強になった。





カラムカリは、他のインド工芸品と同じように本来はヒンドゥー寺院の
装飾用として発達した技巧らしい。今ではもっとカジュアルにサリーの
装飾であったり、ポストカードなども作られている。
布に完全手描きで絵を描いていくのは、インド広しといえどもこの
カラムカリだけという唯一の特徴があるにも関わらず、実はインド国内での
知名度は驚くほど低い。

そのためインド国内で工芸品のエキシビジョンに作品を出品すると、
多くのお客さんは手描きだということを信じてくれず、印刷されていると
思うそうだ。
そのため実際の価値と価格が合っていないと難癖をつけられることが
多いらしい。そしてその場で実演をしてみせると、ようやくカラムカリの
すごさを理解してくれるのだとか。





一緒に行ったチリ人のクラスメイトは、要所要所でビデオ撮影をし、
母国でカラムカリを紹介するドキュメンタリーを作ると言っていた。

私も、この知名度の低さが災いしてこのままカラムカリの伝統が消えて
しまわないといいなぁ、と思った。




街で見つけた何かのポスター。
「オヤジ、孵化中」
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